用語集

一応高い方から順です。メーカーによって呼び方が違う物もあるのでよく見られる?ものを載せています。なにかおかしい所があればご指摘ください。
ロープ(rope、wire rope):
これがなくては意味がありません。 普通、数本の細い針金(素線)を一つに撚り合わせたもの(ストランド)を3組以上 束ねて撚り合わせたワイヤー・ロープが使われています。 種類が色々あり、安全にかかわるので目的に合った適切な物が使われています。 太さは10mm-50mmぐらいがよく使われているようです。


シーブ(sheave、滑車):
ロープを掛ける滑車のことです。ロープが通るほぼすべての所に使われていますが、少しロープの通り道を曲げる程度の所には使われないこともある様です。 何も無いままロープを掛けるとロープが掛かる部分とロープの間の摩擦はかなり大きいので摩擦を少なくするためと言うことが出来るでしょう。 ただし小さ過ぎるとロープが傷みやすいのである程度以上大きくする様に規格が定められており、ロープ直径の20?倍以上とされている様です。


フック(hook):
荷物を吊り下げる部分で、小はロープが直接結んであるやつから大は何十枚もシーブがつ いた超重量用まで大きさ形色々です。シーブが複数ついているものをフック・ブロック(hook block) と言うこともあるようです。荷物を吊らなくてもロープが十分伸びる様にかなり重く頑丈に作られています。 フックの形も「し」の形の片鉤と、「W」の形の両鉤があります。 フックと荷物を結ぶことを玉掛けと言います。 また、吊上げ荷重にはフックなどの重量も含んだものになっています。


ガイ・ライン(guying line):
ガイ(guy)と言うのはロープなどで引っ張って支えることで、ガイ・ラインとは後述のジブやブーム 等を支えるロープのことです。ペンダントロープ(pendant rope)と言うこともあるようです。 ロープでなく棒状の物が使われているとガイ(ペンダント)・リンク(links)になります。


ジブ(jib):
後述のブームと同じ意味で使うこともありますが、ここではブームの先にさらに付け足される物を指します。 ブームの延長線を基準にしたジブの角度をオフセット(offset)といいます。(下図)
オフセット角
また、ブームの角度とは別に自由に角度が変えられるものを特にラッフィングジブ(luffing jib)といいます。 "luff"は傾けると言う意味です。


ストラット(strut):
ジブをワイヤーで支えるために立てる柱です。前述のラッフィングジブではストラットを動かすことで角度を変えます。 メーカーによってはポスト(post)と言うこともあるようです。


ヘッド(head):
ブームやジブの先端のシーブがついている部分。メーカーによって微妙に形が違うので、注意深い人 なら機種の見当がつくでしょう。上部ブーム/ジブや、トップとも言うようです


フット(foot):
ジブやブームの根元の部分のことです。フートと言う事が多いようです。メーカーによっては下部ブーム/ジブとも言っているようです。
ブーム(boom):
移動式ではない「クレーン」ではジブと言う事が多いようです。アームとはあまり言わないようです。 細いパイプなどを格子状に組んだラティス(lattice)式と断面が四角形に近い形をした管状の箱型があります。 ラティス式の物は機械式と呼ばれることもある様です。 箱型はクレーン車に良く使われている伸縮式(telescopic)のものが多いです。


デリックマスト(derrick mast):
後述のマストに加え、モーメントの一部をさらに分散させることで吊上げ能力を大きくすることが出来ます。 また後述のカウンターウェイト台車を吊り下げてさらに能力を上げることもできます。 メーカーによってデリック(derrick)とかマスト(mast)とか違うのでここではデリックマストといっておきます。


マスト(mast):
ある程度大きなクレーンになるとモーメントによってブームの角度を変える(起伏する)装置にかかる力 は相当の物になるため、ブーム根元付近から長い腕を出し、モーメントを分散させてやります。 メーカーによってはAフレームや箱型マストと言う場合もあります。


ガントリー(gantry):
後述のスプレッダーが付く門型の部分です。ブームを起こす力を小さくする働きがあります。小さいクレーンではこれだけですが、大型になるとさらにマストがつくので小さかったり、完全に無い場合もあります。


スプレッダー(spreader):
ガントリーやデリックマストの先に付くブームを起伏させるため滑車の部分。ブライドル(bridle?)とも言うようです。


ウィンチ(winch、巻上げ機):
ロープを巻き取る装置です。大型の物では太さ4cm近いワイヤーロープが2000m近くも巻いてあり数十トン の力で巻き取ることができます。動力源はほとんどが油圧や電気です。古いクレーンはエンジンから直接動力を取っていたようです。


バック・ストップ(back stop):
ブームなどが後ろに行きすぎない様にする支えです。


運転室(cab、cabin):
車と同じように国産機では右側、輸入機では左側が一般的の様です。 ほとんどが一人乗りですが超大型では二人乗りのものもあります。また、大型では作業しやすくするために 数メートル上下したり15-20度ほど上に向けることもできます。 操作関係以外の室内装備は乗用車にかなり近いようです。


カウンターウェイト(counter weight):
荷物を吊ってもつんのめらない様に錘を載せます。 重さは強度や荷物を吊らない時のバランスも考えて、最大吊上荷重の1/4-1/5くらいに設定してある様です。


カウンターウェイト・トレーラー(counter-weight trailer):
本体には強度やバランス上、あまり錘を積めないし錘は遠くにあるほど性能に有利なので別に台車を用意して 追加の錘にします。機種によって100トン位から1000トン以上まであります。 車輪は自由に向きが変えられるので移動の邪魔にはなりません。さらに作業時はジャッキをおろして車輪に負 担がかからない様にできます。カウンターウェイトワゴンと言っているメーカーもあります。 車輪がついてなく、デリックマストから吊り下げる形式の物もあります。この場合はトレーラーではなく、サスペン ション・ウェイト(suspension weight)等と言っているようです。


旋回体:
エンジンやウィンチ等がつく本体の部分。メーカーによる違いが一番分かる部分です。 大きい物では全長が15m近いのもあります。


旋回リング(slew ring):
クレーンが旋回できる様に設けられたリング状の構造で大重量を支えつつ滑らかに旋回できる様に多数のローラーか鋼球が仕込んであります。 この中心から荷物(の重心)までの距離が作業半径と呼ばれる物です。


カー・ボディー(car body):
メーカーによってはセンターセクション(center section)と言うこともあるようです。
この上に旋回リングをはさんで旋回体が載ります。


アクスル(axle):
メーカーによってはクロスビーム(cross beam)と言うこともあるようです。 左右のクローラーとカー・ボディーをつなぎ、全体の重量を支える橋のような物で大型機ではジャッキが付いていて、 組み立てや分解の時にクローラーを付け外しやすくなっています。


クローラー(crawler):
いわゆる無限軌道のことです。 戦車などのはスピードや走破性を重視して逆台形にしますが、クレーン等では強度と地面への圧力、安定を重視して台形(山形)になっています。 走行速度は小型で時速数km、超大型では時速数百m程度です。


シュー(track shoes):
クローラーの地面に触れているベルト状(リンク)の部分です。大きな物では幅が3mを超える物もあります。


クローラーフレーム
重量をシューに伝える部分。たくさんのローラーで全体の重量を支えます。 キャリアーと言うこともあるようです。

最大吊上荷重:
あるクレーンが吊上げることの出来る最大の重量で、荷物の重さとフック等の吊上げに使われる用具の重さの合計です。 ブームあたりに必ず表示してあります。


参考になるページ:
移動式クレーンクラブ
常陸機工の 『(移動式)ク レ ー ン の 辞 典』

大型クレーンメーカーの資料(コベルコ建機Liebherr日立住友重機械建機クレーンDEMAG)

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